管理人はだれ！？

2015年11月15日「日曜日」更新の日記

Ａ建物管理がシニアレジデンス事業をはじめたきっかけは、ある病院の理事長に強く要請されたからである。
それは高専賃の制度ができる前のことだ。
時代背景から、いずれ、高齢者を対象とした集合住宅が必要になる。
それも、低価格で入居でき、相当数がなければ、現状に即したものにはならない。
これが理事長の思惑であり、その思惑どおりに社会は動いたというわけだ。
しかし、その理事長に要請されたのは、家賃はもちろん、食費や管理費を含んで八万円というのだから、Ｋ氏の腰が引けたのは当然だろう。
「ふつう、家賃だけで八万円と考えるのが一般的でしよ（笑）。
食費、管理費、共益費などすべて含んだ値段というのですから、いくら仕事が欲しいといっても、私は逃げたくなりましたよ」こう苦笑するＫ氏だ。
まあ、そう考えるのが経営者としてはふつうというものだろう。
発端は、在宅診療を手がける医師からの、半ば強要に近い提案だった。
いまから九年ほど前といえば平成十一年ごろのことだ。
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」ができたのが平成十三年、高専賃の制度は平成十七年末だから、当時は、高齢者対応の住宅は、まだ整備されていなかった。
介護・医療行政で尻に火のついた国が、あわただしく高齢社会対応のシステムをつくりはじめ、介護保険制度が導入（平成十二年四月施行）されるなどした時期である。

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