管理人はだれ！？

2016年2月15日「月曜日」更新の日記

相続税の現場は、いつも混乱しています。 なぜなら、課税財産の約65％が、土地等の不動産に占められているからです。 実際の価値が伴うかどうかは別として、国は市町村が定めた路線価・固定資産税評価額をもとに相続税納税額を算定し、相続税として徴収しようとします。 しかし、現実には国が出した評価と、その不動産が売れる金額には、大きな差があります。実勢価格と路線価におよそ２年間のずれがあるからです。 つまり、国が「この土地はいくらの価値がありますから、その分の相続税を納めな さい」といったその土地を、実際に売却してお金を作ろうとしても、売れないのです。 それが、多くの、特に地方の金持ちたちを苦しめています。 相続の当事者たちは、「相続税は高すぎる。これでは、せっかく積み上げてきた自分たちの財産がなくなってしまう」と嘆きます。 しかし、私はそもそも、国民が所有する土地資産等は、お上のものを預かっているに過ぎないと考えています。 国民は、固定資産税という名目で地代を支払い、管理を許されているだけなのです。 疑問に思う人は、試しに固定資産税を滞納してみてください。最終的には、国に競売にかけられます。 国の側から見ると、土地について国民に所有権という借用書を与え、名義変更を許すものの、その人の死を以て保有財産を全て清算し、返してもらうという考えなのでしょう。 つまり、富の再配分という名目のもと、道路整備、交通手段の拡充により、資産価値が増大した社会資本を回収しながら、国が豊かになろうとしている。 これが、相続税の基本理念なのです。 国はもともと、土地を自分のものと考え、相続によりそれを取り戻すという考え方に基づき、相続税のルールを決めています。 文句を言っても、仕方ありません。 資産を守りたいなら、その前提を理解した上で、節税対策を講じる必要があるといえます。

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