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泣き寝入りがほとんどの賃貸問題の解決策

2016年4月1日「金曜日」更新の日記

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新しく住居を借りるときというのは、多かれ少なかれ、移転先に夢を描いているのではないでしょうか。たとえ、会社が倒産して一戸建てから小さい賃貸マンションへ移らなければならないというような事情があったとしても、心機一転して、新たにやり直そうという決意があれば、夢を描くことは可能です。ですから、人間というのは、家を借りるときは「いいですよ、いいですよ」とろくに契約書を読まないで契約してしまうのでしょう。その結果、退去するときに改めて契約書を見て愕然とすることも多いのです。敷金・保証金の返還を分割で返還すると言われて、困ってしまった人がいました。新しいところを借りるための資金にしようとしていたからです。しかし、契約書に書いてあるかぎり、従わないわけにはいきません。本来ならば、不動産業者が、契約書を全部読んで聞かせて、意味を説明してあげなければいけないものです。そうすれば、その段階で敷金・保証金を分割で返還を受けるのは、おかしいではないかと言うこともできたはずです。契約書に書いてあるでしょうと言われれば、結局泣き寢入りをするしかないということになります。原状回復の費用にあてたということで、敷金が返ってこないというケースも多発しています。たとえば、内装業者から三十万円の見積書が出ているから、追徴金を払えと言われたとします。その金額の中には、不動産屋に支払うリベートの分までちゃっかり入れているのですが、相場を知らなかったばかりに、ちょっと高いなと思いつつも、支払ってしまうケースが大部分です。結局泣き寝入りしてしまうわけです。賃借人のほうに、異議を申し立てようという気持ちがないという場合がほとんどです。原状回復、自然損耗、経年変化、リフォームなどなどの用語や区別もわかっていない人が多いからでしょう。知らないから、言われたらそうかと納得してしまうわけです。不動産業者の中にも、よくわかっていない人が多いようです。敷金から、かかった賞用全部を引いて当然と思っていますから、悪いことをしているとも思わないのでし儲かるほうがいいわけですから知ろうともしないのです。不法賃貸でのトラブルはこのようにほとんどが泣き寝入り解決策で片づけられています。しかし、泣き寝入りした惻から見れば、何も解決されていないのです。このことを、借り主は認識すべきではないでしょうか。その点からいえば、外国の場合は、賃貸契約がひじょうに完備していますから、トラブルが起きる余地さえまったくありません。アメリカでもヨーロッパでも、敷金・保証金に類するものはあります。たとえば、アメリカでしたら、借り主は貸主に、敷金にあたるデポジットを要求されます。個人の住居の場合は大体二、三ヵ月分です。契約するときに、貸主は斡旋業者立会いのもとで借り主といっしょに内部を点検し、壁の傷や床の汚れなどを詳しく点検して記録します。その結果作成された賃貸借契約書には、内部の初期状態がひじょうに細かく記載され、解約時には、その契約書をもとに、斡旋業者と家主が立ち会いのもとで査定が行なわれます。その査定で、双方の修復負担分が決定し、貸主は預かっていたデポジットから即座に差額を返還することになっています。ヨーロッパでもおおむね同じ制度です。とくに契約概念に厳しいドイツでは、賃貸借契約書が電話帳なみの厚さになることも珍しくはありません。そして、デポジットは、双方のサインがないかぎり引き出すことができない「保証金専用口座」に預けるという厳しさです。金利は借り主のものになるという決まりもあるということです。負担金が軽微の場合は、金利だけで間に合ってしまうということもあるそうです。貨借人にとっては、ひじょうにありかたい制度といえるでしょう。

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