足りない基準
2016年5月10日「火曜日」更新の日記
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- 前提条件が明らかになった場合に、その家族や個人の要望を満たす住宅を設計し、実現するのは主として住宅供給者の役割です。また、住宅のどこをどうすれば要望を満たすことができるのかを消費者に説明することが供給者に求められています。
寒がりの人が家族の中に多い場合には、断熱性能と気密性能はできるだけ高い必要があります。そして、化学物質に過敏な人がいれば、建材の選択は厳しくチェックする必要があります。
また、共働きで子供が産まれる夫婦にとっては、何よりも保育所が近くにあり、職場に近いことが第一条件となります。子供のために自然の山野が近くにあるとよいかもしれませんが、前の条件とはなかなか両立しません。そして、家の中ではハイハイをしはじめた幼児に危険のない設計が求められるでしょう。
この設計上の要求は、その多くが日本住宅性能表示基準の表示内容に入っています。たとえば、断熱性能と気密性能については、性能表示分野の「温熱環境に関すること」の中に詳しく定められています。
また、子供の安全性についても「高齢者等への配慮に関すること」の中にある程度の記述があります。しかし、幼児の安全という観点からは、もう少し気をつけるべきことはあります。床や壁の突起や堅さについての配慮や、部屋の外や廊下、階段などにつながるアクセスに関する配慮です。
このように、配慮すべき項目はたくさんあり、日本住宅性能表示基準にない項目もたくさんあります。そのことは「日本住宅性能表示基準の事項設定の考え方」という表題で、役所が「このように検討範囲を限定した」という形で整理しています。
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