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【資産運用を知らない税理士の知識レベル】

2016年9月2日「金曜日」更新の日記

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相続対策を税理士に相談する、というのはとても自然な発想です。その税理士が優秀なら、有効な結果をもたらすことになるでしょう。しかし、それには相談先の税理士の実績をきちんと吟味することが大切です。一口に税理士といってもその能力や得意分野は千差万別。意外かもしれませんが、個人の確定申告や企業の決算がメインで、相続の案件は過去に1件も扱ったことがないというような税理士は、数多く存在します。問違った相手に相談すれば、節税よりも、「きっちり収めてもらう」というスタンスで指導されることもありますから、相談相手選びは慎重に行ってください。また、たいていの税理士は、市場のニーズやトレントを加味しない机上の空論や過去の成功事例にならう傾向があることにも注意が必要です。土地の立地も形状も見ずに、マンション建築についてアドバイスをすることは不可能です。が、税理士の中には一歩も足を動かさず、書類だけを見て結論を出そうとする人が多いのです。そもそも、税理士は数字には強くてもお金には縁がなく、自分自身は資産運用に関心がないという人がほとんどです。このような税理士から、「駅から遠いまとまった土地を売って、こちらの土地に買い換えましょう。そこにマンションを建てれば、長期的な空室リスクを抑えられます」というような総合的な資産運用のための助言が得られる可能性は、残念ながら低いといわざるをえません。 <041301・税理士> また、相統税はグレーな領域が広く、扱う税理士によって3割の幅があるといわれます。ですから、税理士を相談相手に選ぶなら、相続対策についての知識があるのはもちろんのこと、依頼者の立場に立って、最善を尽くしてくれる相手という条件も加える必要があります。簡単ではなくても、しっかり探せば、いい税理士さんに出会えるはずです。例えば、ある会社では、決算を手伝うだけでは本当の意味でお客様の役に立てないという考えから、50人いる税理士たちが各自の専門の知識に加えて、FPや不動産鑑定士などの、お金に関するノウハウを身につける努力をしているそうです。このように、クライアントに役立ちたいと考える税理士さんが増えているのは喜ばしいことです。日本人は情、義理、縁故、おつきあいなどを美学としてとらえる風潮があります。それが長所ともいえるのですが、仕事の面では足を引っ張っている部分が多いような気がします。相続は会社の決算などと違い、10年後、30年後の将来的な家族像までを考慮する想像性や、不動産以外の資産もからめた総合的な資産運用についての知識が求められます。もし、相談した相手が相続対策のスペシャリストでなかった場合は、仮定の相続税計算をお願いするまでにとどめて、その後の有効な対策については別の相談先を探すほうが身のためです。

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