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【デザイン性の高さを標準仕様にする】

2016年9月23日「金曜日」更新の日記

2016-09-23の日記のIMAGE
大手の賃貸物件検索サイトのデータによれば、検索ランキングで最も人気の高いワードは「デザイナーズ」だそうです。実際に、入居者の「カッコいい」「美しい」といった感性に訴えることができる物件は、多少賃料が高くても人気があります(ただし、第一章でも述べたように、デザインだけよくて住み心地の悪いものは不人気)これは、裹を返せば「ここに住みたい」と思えるようなデザインのマンションが、簡単に見つからないということでしょう。賃貸マンションも商品である以上、デザインをよくするのは当然です。それなのに、なぜ市場にそのようなマンションが少ないのでしょうか?それは、あえてデザインに凝らなくても、これまでは何の問題もなく埋まっていたからです。ただし、これからは今までのようにはいきません。デザインはよくて当然、そうでない物件は選ばれないという時代はすでに来ています。「そういわれても、デザインにお金をかける余裕はないよ」という方もいるかもしれません。しかし、デザインにお金がかかるという考えは誤解です。プロの力を借りず、ちょっとしたアイディアひとつで、デザイン性を高めることは、そう難しいことではありません。例えば、賃貸マンションの外壁のタイルを決めるとき、上から下まで同じものを選択するオーナーがほとんどです。ここに少し工夫を加えて、途中に別のタイルや石を張るだけでも、印象はかなり変わります。 <041501・アパート> また、キッチンの周りに張るタイルを決める時、「どれにしますか?」とカタログを見せられ、「じやあ、これにします」と条件反射的に1種類のみを選んでしまうオーナーが多いのも疑問です。そこで大切なのが、「どうしたら格好よくなるか」という発想を持つことです。カタログの同じページにある白いタイルと赤いタイルと黒いタイルを選び、「全面に白を張り、アクセントでこことここに赤と黒を入れてくれますか?」という指示を出してもいいのです。カタログの同じページの中なら、コストは変わらないはずです。また、デザインを入居者に選んでいただくというのも差別化になります。例えば、入居希望者に対して、「好きな壁紙の色を選んでいただけます」という仕組みを作るだけで、ほかの物件では得られない楽しみを入居者に与えることができます。今後はデザインがいいだけでは、賃料は上げられなくなってきます。デザインはよくて当たり前、その上でプラスアルファの特徴を持つことが重要なのです。ここで注意したいのが、流行のデザインは年々変わるということです。たとえば、80年代後半には見るからに贅沢な雰囲気の豪華なデザインが人気でした。しかし、現在は見た目よりも、無垢のフローリングを使うなどのナチュラルな質感のよさが求められています。これを知らずに少し前の流行を追いかけてしまうと、かえって古臭い印象を与えてしまい、イメージを落とすことになります。また、トレントは最先端を行く人、その次の層、そして大衆の三層に分かれて構成されますが、賃貸市場では、あえて2番目の層にターゲットを定めるのもポイントです。突っ走りすぎるよりも半歩先を行くくらいのほうが、普通の人には魅力的に映るからです。

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