管理人はだれ！？

2016年10月9日「日曜日」更新の日記

物件には24時間ケアスタッフが常駐していますが、居室に「スマイルコミュニティ」という24時間緊急対応サービスを付け、フロント管理室、警備会社、医療機関の連携による緊急時の一次対応を行います。このシステムは入居契約時、全員に加入が義務づけられています。介護認定を受けている人の多くは要介護1と2の大で、先述の物件よりも平均的にはやや軽いそうです。この物件でも介護度が高くなったからといって退去を勧めることはありません。認知症で対応しきれない場合には、やはり身元引受人と相談することになります。現在の入居者で介護度が高い人は要介護。ほとんど自室で過ごされているそうですが、サービスを活用し、ここでの生活を続けています。高齢者向け住宅にシフトしたからといって、年齢制限を設けたわけではありません。都心に出るのが便利な立地を生かせば、いろいろな住まい方ができるはずです。1Kの部屋に親が、子世帯は2DKにと、別々の部屋に入居していた家族がいたそうです。選択サービスを利用しながら適度な介護の距離を保たれていたのですが、お母様の認知症が進み、専門施設に移ることになり、家族もその施設の近くに引っ越して行かれたそうです。今後、このような安心のサービスが付いた都会型のマンションは、仕事を持ちながら介護をしている家族の需要が高まるのではないでしょうか。特に一人で親をみている場合は、通勤時間が短いことや充実した介護サポートは欠かせません。高齢者向けマンションは、職場や学校へ通う年代の障害のある人にとっても住みやすいでしょう。30代の車いすユーザーが、建物がバリアフリーなこと、食堂があって便利なこと、万が一の緊急対応システムがあるから安心、という理由で住んでいるそうです。医療・福祉系の学生たちに入居を勧めるのも一案です。廊下で挨拶を交わしたり、食堂で一緒に食事をするだけでも、高齢者には刺激、学生には実地の勉強と、それぞれメリットがあります。緊急システムなどの見守りのための費用を、若い人たちが割高と捉えるかどうかですが、見守り費用をとらない若年層向けの料金体系があってもいいかもしれません。今の若い世代は核家族化か進んでいるため、高齢者の日常を知らないまま、介護職を目指す人も多いようです。施設に入ったお年寄りの姿だけでなく、徐々に歳をとっていくことを知ってもらいたいものです。厳密なコレクティブ（＝相互扶助）は難しくても、高齢者に限定することなく、世代共生の余地を残しておくこと。これからの少子高齢社会では大切なポイントになると考えます。いろいろな住まい方に柔軟に対応するには、1Kよりも2DKの間取りのほうが活用されそうです。夫婦や、単身で親を介護している世帯はもちろんのこと、学生が入居する場合も、友達同士でルームシェアしたほうが、それぞれ1Kを借りるよりも家賃が安くすみます。経済的にゆとりがある高齢者なら、単身でも2DKを選ぶかもしれません。あるいは、室内をスケルトンにして間取りや内装・設備を入居者が選択すれば、さまざまなニーズに柔軟に対応できるのではないでしょうか。たとえば「バリアフリー対応」とうたったときに、どこまでの設備を備えたらいいのでしょう。身体状況や生活の仕方によって、室内の危険や設備の使い勝手は違います。高齢にもなればその個人差はより大きくなります。普及型の住宅設備機器よりも、ユニバーサルデザイン、バリアフリー対応の設備はコストが高いのも実情です。バリアフリーとうたっている部屋が使いにくかったら不満の種にもなりますが、本人が自分で選べば、コストも視野に入れながら使いやすい設備をそろえることができます。スケルトンなら退去時の原状回復も簡単です。バリアフリーの問題だけでなく、老後を目の前にした団塊の世代は個性を大切にする世代ですから、入居者が内装を選べることは、セールスポイントになるはずです。まったくのスケルトンが難しい場合でも、洗面やキッチンセットなどの設備をオプションにすることはできそうです。

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