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2017年2月5日「日曜日」更新の日記

（1）敷金とは。住宅賃貸借契約では、契約当初に、「敷金」を預け入れることが一般的になっています。この「敷金」は、借主の家賃の支払いその他の賃貸借契約上の債務の「担保」として貸主が預り、契約終了の際に、仮に借主に家賃不払いなどがあるときは、当然にその分を差し引いて、その残額を返還する、という扱いが一般的です。したがって、何も問題がなければ敷金は戻ってくるもの、と考えてよいでしょう。ただし、あくまでも借主が契約期間中になすべき義務をきちんと果たしていることが前提であり、そうでないにもかかわらず「敷金が返ってこないのはおかしい」というのは、敷金の趣旨を誤解したものといえましょう。また、とくに大阪を中心として「敷引き」という制度が慣行となっていますが、この場合は、あらかじめ契約で敷金の一部は返還されない取決めになっています。これも明確な合意があれば、それに従うのが契約関係の基本です。一部の裁判例を引用して、敷引きの取決め自体が無効だとする主張もあるようですが、そのように一般化できるかは疑問です。いずれにしても、敷金の基本性格を理解したうえで、借主の債務不履行の事実があるか、そもそも契約で返還につき明確な取決めがあるかを、十分に精査する必要があるでしょう。（２）敷金によって担保されるのは。敷金によって担保されるのは、賃貸借契約から生じる借主の一切の債務と考えられています。したがって、家賃の不払いや、原状回復に必要な費用の未払い、借主が無断で行った工事の復旧費、賃貸借終了後明け渡しまでの間の賃料相当額の損害賠償債務なども、敷金から差し引いて返却されることになります。ただ、この「原状回復」について借主が負担すべきとする費用については争いになることが多い点に注意が必要です。一歩先へ（理論編④）契約期間中の敷金の相殺。敷金は、契約が終了して借主が物件を明け渡した時点で返還請求権が発生し、貸主から借主の残った債務を差し引き「相殺」して返還されます。

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