借地権とは
2017年5月26日「金曜日」更新の日記
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- 借地借家法の適用のある賃借権を、一般に借地権と呼んでいます。建物の所有を目的とする賃借権及び地上権について借地借家法が適用されますので、このような賃借権を借地権ということになります。借地借家法は経済的に弱者である借地人の地位の安定を図るという社会政策的立場から制定された特別法であり、借地人に強い権利を認めており、その反面、賃貸人の権利を大幅に制約しています。このため、借地権は土地の所有権と離れて独自の財産的価値を持つにいたっています。人が死亡して相続が発生した場合には、その人が所有していた財産に相続税が課税されますが、借地権を持っている人が死亡して相続が発生した場合、その借地権についても相続税が課税されます。税務当局は借地権の評価について独自の基準をつくっており、土地の更地に一定の割合（借地権割合という）をかけた価格を土地の借地権の評価額として、それに応じて課税しています。この借地権割合は税務署に備えつけられている「路線価図」を見ればわかりますが、通常、更地価格の五〇一八〇％の間で定められており、ふつう都心部の方では割合が多くなっています。また、土地の所有権とは別に、借地権自体を土地の時価評価の何割かの金額で売買する取引も行われています。このように、土地の借地権が土地の所有権とは独立した財産的価値をもつ理由は、借地借家法により賃借人の権利が強く保護されているからです。同じ土地の賃借権であっても借地権の適用のない、ただの賃借権の場合には、土地所有権と独立して財産的価値をもっているとはいえず、したがって独立して取引の対象とされることもありません。地上権土地の賃貸借と同様に他人の土地において工作物または竹木を所有するために、その土地を使用する権利ですが、土地所有者の承諾なしに譲渡できる、土地所有者は地上権の登記に協力する義務を負うなど、賃借権より強い効力を持っています。ただし、現在では、あまり見受けられず、建物の所有目的の土地利用権の多くは賃借権といわれています。
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