管理人はだれ！？

2017年6月12日「月曜日」更新の日記

2011年３月11日以降、「自分の老後」の心身の安全を真剣に考える必要に気づいて相談においでになる方が増えました。代表的な例をあげます。　まだ元気だが身内も頼れないとわかった（87歳） 　身内とは仲が良くて「何かあったらいつでも飛んで行ってあげるから心配しないでいいわよ」といってくれていたのに、３月１１日後に、電話や手紙で、「大地震が起きたら電車も車も止まってしまい、駆けつけてあげられないから、自分のことは自分で考えて」と言われてしまった。自分は結婚もしていないので、子供もいない。今は都内の駅近くのマンションで、とても便利で何不自由なく過ごしている。それでも、先のことを考えたら、やっぱりホームでの生活しか思いつかない。 「普通で安全な暮らしがしたい（70歳）」 　３月月１１日以来、地震がこわい。今まで独身で仕事をしてきて、人生の中で「こわい！」ことなんか何もなかった。でも、今は誰でもいいからそばにいて！　と思うようになった。友達は大勢いたが、大地震後の言葉や思いやりのなさで頼りにならないことがはっきりわかった。今後も何が起きるか想定できないので、安心して暮らせる有料老人ホームに早く住み替えたい。まだ、やりたいこともあるので、全財産は使いたくない。プールや豪華な共用部分はいらない。普通の生活ができるホームを探したい。 「エネルギー事情が変わると命取り（78歳）」 　昨年の猛暑で熱中症になり入院した苦い経験がある。今年は原発事故の影響で、節電になるとエアコンを24時問は使用できなくなる。その計画停電の時間帯だけ、どこかに避難していたいと思う。近隣の避暑地のホテルに電話したら、すでに予約でいっぱいだった。自家発電も考え、手を尽くしたが無理ということがわかった。どうしたら良いのか。 　まさに「なにかあったら……」が現実のこととなった今回の大震災。ご相談者たちはお年だけ見れば十分高齢ですが、しっかりした意識で暮らしているので、これまでは高齢者住宅への住み替えはリアリティがなかったのです。実際、90代になっても「”老後”のために老人ホームを研究したい」と来館される方もあるほどです。しかし、自分はまだまだ大丈夫と考えるうちに身動きならなくなることも多いのです。

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