管理人はだれ！？

2017年12月25日「月曜日」更新の日記

　日本人は不動産に対して特別な意識を持っています。不動産を絶対的なものと信じて強いあこがれを抱いています。 　もはやこれは信仰の世界です。信仰だったら自由じやないかと思われるかもしれませんが、やはり間違った信仰というものもあるのです。 　土地神話は崩壊したと言いながら、心の底からそう思っている人は実は少ないのではないでしょうか。 　土地には資産価値があると思っている人が多いのです。 　だから投資家は不助産投資を絶対のものと考え、いつかまた地価は上昇すると考えるし、個人は住宅を最高の資産と考えて、強いあこがれを抱いています。 　そのために、知識もないのにむやみやたらと不動産投資に走ったり、巨額の借金をしてまで自宅を購入したりするのです。 　内閣府が05年1月に住宅に関する世論調査を発表しています。 　それによると「住宅を所有したい」と考える人は、98年の前回調査より2.3ポイント増の79.0％となりました。 　8割の人が住宅を所有したいと考えるというのは大変に高い数字です。 　一方、「住宅を所有する必要はない」と考える人はわずか12.1％で、2.6ポイント減りました。 　さらに、所有したい人に理由を聞いたところ、「同じところに安心して住み続けたい」が55.2％、「資産価値がある」が23.7％です。 　住宅に「資産価値がある」というのはまったくの間違いでしょう。 　たとえば返済期間30年かけて住宅を購入したとします。この場合、建物部分は老朽化します。築30年の木造住宅は廃屋ですから、仮に誰かに貸そうと思っても、わざわざ賃料を支払って借りる人はいないでしょう。 　つまり、賃料の取れない不動産の価値はゼロですから、資産としての価値はありません。それが現実です。 　それでも人は住宅を求めています。 　バブル崩壊以来、いまだに地価下落に歯止めがかからない状況のなかにあっても、不助産を所有するということは目標であったり、あこがれであっ たり、一つのステータスであるという思いが強いのです。 　企業では合理化やリストラ、土地のオフバランス化が進み、最近ようやく業績に明るさが見えはじめてきている一方で、相変わらず個人は反対の方向に進み、喜んで借金して自ら苦境に向かう人がいっこうに減らないのです。 　でも、不思議だとは思いませんか。なぜ日本人はこれほどまでに住宅に対するあこがれが強いのでしょうか。 　なぜこれほどまでに不動産を絶対のものだと信じているのでしょうか。

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