SUMAIRINA

トップ > 平成30年1月> 15日

不動産は借金と抱合わせで持つ

2018年1月15日「月曜日」更新の日記

2018-01-15の日記のIMAGE
 税金の重圧を避けて通ろうとすれば、不動産を個人で持たないようにするよりほかない。しかし、そういうことに気づいたときは既に手遅れで、不動産を個人名義で持ってしまった人はどうすればいいのであろうか。収入をふやすのも容易でないが、減らすのはもっと難しい。人に貸してある土地建物の家賃を減らせば、借り手に感謝されるかもしれないが、自分が損をした気分になる。かと言って家賃をふやしても、税金にとられてしまうだけでは何の役にも立だない。ことに社長業としての収入が納税採算点を越えているのに、その上、不勣産収入がふえて、ふえた分だけそっくり税金がふえたのではもっと損をしたような気分になってしまう。  そういう人は、まず自分の佃人財産を管理する会社をつくって、その会社に財産管理を委託すればよい。委託手数料として収入の20%とか、25%を支払っても文句は言われないであろう。管理会社の社長に奥さんなり、身内の者なりを据えて、給料を払えば、給料は給与所得だから、資産合算の対象にはならない。そういう家族会社をつくり、以後の私有財産はすべてその会社の所有にすれば、財産管理のための家族会社ができあがるし、個人資産からの収入を20%なり25%なり家族会社に移せば、その収入はすべて借入金の金利支払いにあてることができる。かりに年収5000万円ある先述のご婦人がその家賃管理を家族会社に委せて20%の管理費を支払うとする。彼女の収入は1000万円減るかもしれないが、税金に支払う分も770万円減るから実質減収は230万円にすぎない。ところが、1000万円の収入を得た管理会社が2億円のお金を銀行から借りて、4%に回る不助産を買い、年に八百万円収入があったとしたら、6%の金利を支払ったとしても、差引き600万円の収入を得たことになる。600万円の利益は給料として払い出してしまうこともできるし、減価償却資産がそれだけ分あれば、それぞれ利益に計上されることもなく、借入金二億円の返済資金に充当することもできる。2億円で購入した不動産は将来、値上がりによって2倍にも3倍にもなるかも知れないから、わずかの収入を犠牲にしただけで、家族会社の資産を新しくつくることができるのである。  また個人資産は、できあがってしまったものは仕方がないが、そのままにしておくと死んだときに、最高75%の相続税の課税対象にされてしまう。それを避けようと思えば、路線価格にほぼ等しいか、それを超過する借金を抱え込むよりほかない。たとえば時価が10億円で税務署の評価が4億円の不動産を持っているとする。無借金のまま死ぬと、4億円の資産を残したものとして相続税をかけられる。もしこの不動産を担保に入れて6億円の借金をし、そのお金で6億円分のマンションを買ったとする。マンションの評価額は一般に土地より低いから6億円の評価が二億円とした場合、実際には合わせて16億円の資産と6億円の借金を持っているのに、税務上は6億円の資産と6億円の借金を持っているものと計算され、課税対象にはならないですんでしまうのである。  したがって借金が資産の路線価格に見合った財産の保有の仕方が、最もスマートな不動産の持ち方ということになる。個人所有の財産は以上のようにバランスのとれた形に組みかえ、あとは新しく家族会社をつくって株主は家族間に分散し、一番先にあの世に行く手筈のお父ちゃんやお母ちゃんの持分はなるべく少なくしておくことである。不助産を個人が持たずに会社が持ち、その会社も個人と同じように借金が不動産の路線価格と見合うようにしておけば、膨大な含み資産を持っていても、評価は低い会社になる。そういう会社の形にしておけば、不動産という名の財産も親から子に伝えることが可能になるのである。

このページの先頭へ