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借金の「ここまで安全」の境界線

2018年1月18日「木曜日」更新の日記

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 誰でも不動産に手を出したら成功できるということではない。何十年やっても街の不助産屋から一歩も踏み出せない人もあれば、ズブのシロウトから乗り出して、一代で卜ップにおどり出してくる人もある。70%は運に恵まれていたとしても、さしあたり莫大な借金を背負い込むことに対して、かなりの勇気とゆるぎのない自信がなければ、とてもやれないことである。たとえば、私の友人に、この3年間で不動産投資のために3000億円も借金をふやした人がある。一口に3000億円といっても、6%の金利として年に180億円の利払いが必要になる。1日5000万円の利払いであり、気の小さい人なら、きいただけでも卒倒してしまう。借入金の大半は空地の仕入れに使われており、収入が伴わないことははじめからわかっているから、値上がりをした土地を処分して金利分を捻出するか、借金に借金を重ねて金利の支払いをするしか手はないのである。それこそ一歩間違えれば、金ぐりがつかなくなる危険をおかすことであり、現に賭けが裏目に出て倒産の憂き目を見た業者の数は枚挙にいとまがないのである。  したがって比較的安全な不動産投資にお金を投ずる場合でも、正確な判断と賭けに勝つための勇気が必要なことに変わりはない。そのためには、この土地にこれだけのお金を投じても大丈夫か、という判断も必要だし、一体、不動産に投資をする場合、どのていどまでの借金なら安心なのか、という境界線の設定も必要であろう。  一番わかりやすい設定は、一般の人たちがマンションやマイホームを手に入れるとき、どのていどの借金までが許されるか、ということであろう。今でこそマンションやマイホームを手に入れるに際して、住宅ローンを利用することができるようになったが、まだ金融機関にそうした資金的余裕もなく、個人への金融が制度化されていなかった頃は頭金のほうが3分の2で、融資がだったの3分の1ということもあった。やがて、半々になり、さらに頭金が3分の1という逆転になり、遂には頭金が1割とか、頭金はまったくなしでもよろしいということにも相成った。もっとも頭金なしはよくよくのことで、頭金分は売主が負担するとか、万一、債務の履行が行われなかった場合は売主が保証するという条件になっていたりする。  逆にアメリカでは、頭金のことをダウン・ペイメントといい、原則として頭金は1割だけ、残りの90%は30年分割払いの長期返済というのが多かったが、アメリカの金利が10%とか、15%まで上昇すると、返済不能におちいった場合、担保物件だけでは元金に足りないおそれが生じてきたので、ダウンーペイメントを30%要求する銀行が多くなった。  銀行側としては10%だろうと、30%だろうとちゃんと返済してもらえばいいのだが、返済する側からいうと、毎月の元利合計が払えるかどうかが問題になる。自分で住む場合は、毎月の元利の支払いから借りて住む場合の家賃を差し引いた金額だけ支払いがふえた勘定になるから、その分の支払いができるかどうかを考慮すればよい。                                                                

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