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建物の建設費よりも維持管理費のほうがはるかに高額

2018年2月10日「土曜日」更新の日記

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 一般に、建物の寿命は60年程度といわれていますが、歴史的な建造物を除くと寿命いっばいまで使用し続ける例はあまりありません。具体的な統計数値はありませんが最近の建物の平均寿命は20~30年程度になっているのではないでしょうか。  日本の分譲マンションの歴史は40年くらいですから、仮に40年で建て替えると、建物の一生にかかる費用のうち、当初の建築費用は20%程度にすぎません。残りの80%は維持管理に要する費用なのです。建物の維持管理にはコストがかかるという好例が東京都庁舎です。東京都庁舎は建設費1569億円で1991年に竣工しました。  以来約16年の時を経ていますが、年間の維持管理費が約52億円かかるので、東京都は17年間で総額約832億円のコストを支払っていることになります。  また、建物・設備の劣化が進行しているため、今大規模修繕を行なうと、1000億円以上の費用がかかるそうです。  都庁舎は凹凸のある、デザイン性を重視した建物なので、一般的な建物よりも修繕費が高くなるそうです。しかし、これだけ高額な費用をかけて大規模な修繕を行なうのかということになると、建て直したほうがいいのではという意見も出てくるでしょう。  都庁はとりあえず急を要する改修工事に着手しているようですが、早晩計画的な大規模な本格修繕に入るかどうかの決断を求められることになりそうです。

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