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築年数の古い建物はバリューアップのための短・中期改修も

2018年2月11日「日曜日」更新の日記

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 個人で都庁舎クラスのビルを所有している方はほとんどいないでしょうから、もう少し一般的な規模の建物の修繕費用をチェックしてみましょう。  先に、不動産賃貸事業で収益の最大化をはかるには中長期修繕計画の策定が不可欠だと指摘しましたが、築年数の古い建物に関しては、短・中期の修繕計画も必要でしょう。建物の外観などもデザイン性を高めるなど工夫をしたほうが、借り手を確保しやすくなり、結果的に建物の収益価値を高めることになるからです。  もちろん、建物をバリューアップするには、それ相当のコストがかかります。最近のバリューアップの具体例をいくつかあげてみますと、東京都区内にある築30年以上、RC造七階建地下一階、延べ床面積約2500平方メートルというオフィスビルの改修・改装費用は約5200万円でした。  バリューアップの主な項目は、建築では屋上・ルーフバルコニーの新規防水施工、外壁・鉄骨階段の改修など、設備機器では給水配管の更新、消火器・室内消火栓ポンプの交換、エレベーター本体の改修などです。  改修にかかった費用は、防水・外壁関係が約2200万円、エレベーター本体改修を含む設備工事関係で約1800万円、その他約1200万円でした。  また、同じく東京都区内にある築30年以上、RC造7階建地下1階、延べ床面積約500平方メートルのオフィスビルの改修工事費用は約2500万円でした。  改修の主な内容としては、屋上・バルコニーの防水施工、外壁の塗装、エントランス床の貼り替え、共用廊下の塗装、避難器具の交換などの改修工事、給水・消火設備等の設備工事でした。  さらに、同じく東京都区内の築27年、鉄骨造五階建地下1階、延べ床面積約300平方メートルのオフィスビルのバリューアップ費用は約1200万円でした。  このビルでは、建物の一部からアスベストが検出されたため、その除去工事費が約250万円かかっています。このケースの場合は、5階部分が空室だったため、5階のみの工事となりました。他階については順次アスベスト除去工事を実施していく予定です。アスベストの対応には細心の注意を払う必要があります。  なお、いずれのケースにおいても、一定の収益が確保できることを前提に、バリューアップが実施されています。

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