SUMAIRINA

トップ > 平成30年2月> 24日

安全が最高のアピールポイントになる時代

2018年2月24日「土曜日」更新の日記

2018-02-24の日記のIMAGE
 耐震偽装が社会問題化したことを受け、建物の安全性を重視して借りる物件を選ぶ人が増えています。  その一方、犯罪手口が巧妙化・悪質化するにつれて、建物のセキュリティの充実を選択基準にあげる人も増えています。すでにオートロックや防犯カメラ・センサーライトの設置は一般化していますし、最近ではフェイスキー(顔で認識)、虹彩認証システム(瞳のなかにある虹彩を利用した入退室管理システム)、血流認証システム(血管形状バターンを利用)など最新鋭のセキュリティ。システムが続々と実用化されています。  しかし、せっかく最先端のセキュリティーシステムを備えていても、建物自体の構造に問題があれば意味がありません。  一般に住宅に関しては、セキュリティは賃貸マンションよりも分譲マンションのほうが充実しているようです。人口減少時代が到来し、かぎられた住宅需要を分譲と賃貸とで取り合う形になるだけに、賃貸マンションのオーナーはせめて建物の安全性を借主にアピールするべきでしょう。  建物に違法性がないことを確認し、「安全」をセールスポイントにする上でも、やはり専門家に建物の調査を依頼することをお勧めします。  建物診断の調査結果がよければ、入居率の維持・上昇も期待できます。実際、都内のある賃貸マンションオーナーが入居者に調査結果をみせたところ、入居者はみな安心し、「安全だから長く借りていたい」と喜んでいただけたそうです。  このように、建物の維持・管理に対するオーナーの熱意は、入居者にも伝わります。そして、収益の維持・拡大にも必ずつながるはずです。  反対に、建物診断の調査結果があまり良くなかった場合には、当然なんらかの対策を講じることになります。 耐震性やアスベストなどでオーナーの責任が問われる時代ですから、なにかが起こってから対処するのでは遅すぎます。賃貸経営者として、リスク管理の徹底が求められる時代になっているのです。  建物診断では、遵法性、予想修繕費、耐震性、アスベスト、土壌汚染等の調査等を行ないます。改修などが必要と判断された場合には予想修繕費も算出してくれますので、今後の建物の維持費を大まかに把握することができます。  オーナーにとって経済的に建物の所有を継続できる程度の予想修繕費であれば、建物診断の結果にしたがって長期修繕計画をたて、ひとつずつ実行していくことになります。  建物の維持。管理コストの算出と平行して、資産価値の調査も必要です。不動産の時価、不動産の需給動向、賃料動向を調査し、今後の収益見通しをたてます。  そして、収益と維持。管理コストのバランスを勘案し、改装・改築・建て替え、売却、買い替えなど最善の対策を策定します。  このように、建物診断は資産価値の保全・優良化の第一歩なのです。所有している土地・建物の有効活用を続けるかどうか、もう一度考え直すきっかけにもなるでしょう。有効活用をやめることが資産防衛につながる場合もあるのです。  建物診断は、建物を安全・快適に、長く使用するために行なうもので、いわば建物の健康診断です。人間が人間ドックなどで健康状態を把握するように、建物も建物診断で現状を認識しておけば、中長期経営方針が決めやすくなります。  そして、調査結果は不具合対応、機能・性能の向上、保全・改修計画の立案、資産価値調査のための現状把握に使用できます。

このページの先頭へ