SUMAIRINA

トップ > 平成30年5月> 12日

有害物質だらけのビニールクロスを追放

2018年5月12日「土曜日」更新の日記

2018-05-12の日記のIMAGE
 今や、室内の環境汚染問題の。主声の座に躍り出た感のあるビニールクロス。  健康に害を及ぼすといわれて久しいのに、なぜ、今もなお使われているのでしょうか。  その理由として、施工が簡単なこと、安いこと、汚れが落としやすいこと、デザインが豊富であることなどが考えられます。  たとえばデザインですが、石油化学製品である塩化ビニールは驚くべきことに、どんな材質にも、いかにもそれらしく化けてしまうのです。  しかし、木や布、金属、石、さらには土壁にまで変身するものの、あくまでも風。限りなくほんものに近いのですが、所詮まがい品の域をでません。  しかし、ほんものより数段安いうえに、色も多彩に揃っているので、好みに応じてよりどりみどり選べます。こんな手軽さが日本の現代の風潮にかなっているのでしょう。  この壁紙を開口部を除く三面の壁と天井に貼るとすると、床の3倍ほどの面積を占めることになります。壁紙自体と接着剤からホルムアルデヒドが放出されることは、もうおわかりですね。  ちなみに、空気中に0.1PPM程度放出すると、刺激臭があり、4~5PPMで不快感や目鼻への刺激、50PPMもあれば、皮胸や肺に炎症ができるといわれています。  壁紙の接着剤に関しては、安全性を追求するならば、でんぷん糊を用いるのがいちばんなのですが、腐りやすいというのがこれまでの悩みの種でした。  しかし、研究がすすんで、でんぷん系でも、ホルムアルデヒドはもちろん、防カビ剤も入っていない製品もあらわれてきています。その代わりに、ほかの薬剤が添加されていることもあるので、よく注意し、安全性を確認したいものです。  壁紙そのものも、塩化ビニールを使わないものが商品化されるようになりました。 紙や綿、麻などの自然の素材でできたものなら、焼却しても有毒ガスが発生することもなく、安心です。オレフィン壁紙や不織布壁紙、無機質壁紙、紙壁紙などもつぎつぎと商品化され、実用されるようになっています。とくに、防燃剤を添加していない紙壁紙や紙布壁紙は、ナチュラルな材質感があってエコロジーにも適しています。  住空間における自然素材のすばらしさは、毎日身につける衣服には自然素材が最高という認識と通じるものがあるのではないでしょうか。  科学技術の進歩によってつくりだされた化学繊維には、シワにならない、軽い、デザイン性にすぐれているといった長所がたくさんあります。今や、華やかなファッション界は、化繊に支えられて存在しているといっても過言でないかもしれません。  しかし、いくら卓抜した技術を駆使して開発された化学繊維でも、自然素材に勝っているとは思えません。  絹のしなやかさ、木綿の吸水性、しやきっとした麻の風合い、純毛のあたたかさ、どれにも化学繊維にはないすぐれた魅力があります。また、間違っても静電気がおこりにくいのも特徴です。  自然界の生物の一員である人類は、長い歴史のなかで、これらの素材を身にまとって暮らしてきたのですから、誰の肌にも違和感なくなじむのも当然なのです。  建築材料にしても、有害な石油化学製品のかわりに、自然素材の評価が高まってきたのは、当たり前のなりゆきといえるかもしれません。消費者のニーズが高まってくれば、今後さらにすぐれた商品が出回ってくると期待されます。  健康によい壁紙を選ぶには、安全性を保証するマークを目安にするのも一案です。 しかし、忘れてならないのは、有害化学物質を使っているか、いないかのチェックをおこたらないことです。まれに自然素材であっても、有害化学物質を塗布したものも出回っていますので注意してください。  また、健康によい壁紙はビニール壁紙と比べると、多少割高になるのは否めません。  しかし、安心とやすらぎを手に入れるには、多少の費用がかさんでも仕方ないのではないでしょうか。要は、そこに住む人の価値観しだいということになると思います。

このページの先頭へ