陽当りのいい部屋

: 風呂掃除と風呂沸かしがめんどくさく、仕事がたてこむと１週間でも２週間でも誰にも会わないで過ごしたりするので、必然的に風呂欲しいと思いつめることはなかった。台所に湯沸かし機が１台あれば、結構ことは足りるのだ。なにより昼間からてきとうな時間に銭湯に行ける商売だしね。風呂が付いてからも銭湯はよく行った。それはそれとしてシャワー付きとかの内風呂の便利さを体験してしまうと、けっこう風呂なしに戻れないものがあることを認めるが。ところが、いろいろな部屋を移り住んでみて、しみじみ思うのは、広さや風呂付きの条件はいい部屋とはあまり関係ない。いい部屋だったよなあと思うのは、陽当りのいい部屋なのである。せまくても、駅からちょっと遠くても、風呂なしでも、懐かしくしみじみ思いおこせるのは、陽当一りのいい部屋だ。陽当りのいい部屋に住んでいた時は運も良かった気がする。とても元気で。本当に。明るいから、よく掃除をして、ふとんも干してぐっすり眠って、洗濯物もよく乾くし、友達も遊びに来て、部屋と仲良くできるのだ。