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【借地借家法と個人の利益】

2018年8月13日「月曜日」更新の日記

2018-08-13の日記のIMAGE
裁判所の考え方は、借地法や借家法は、弱い借地人、弱い借家人を守るための社会立法だ、ということです。 そのため、一例をあげれば、借地上の建物の柱が白アリに侵されて、倒壊一歩手前になり、 しかも無人の状態となっても、裁判所は「朽廃」の状態になったと認定しません。 「朽廃」と認定す れば、借地権が消滅(旧借地法二条一項)するからです。 消滅すると、借地権の財産的価値が、借地 人にとってゼロになるからだというのです(しかも、平成四年の改正借地借家法の施行で建物朽廃によって、 建物借地権が消滅することとする制度は廃止されました)。 しかし、これは行きすぎた考え方です。 社会立法というのは、借地人の住居、店舗、事務所いずれ にもせよ、占有して使用している現状を保護するものです。 しかも本来、国家の社会保障予算の中 で、公営住宅等をつくって、それをなすべきものなのです。 それを大正デモクラシーという歴史の一 時期に、時の政府が無策の責任転嫁のために一片の法律で解決しようとしたのが、借地法・借家法な のです。

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