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不当な自己主張

2018年8月14日「火曜日」更新の日記

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このときの目的は、借地人や借家人が、安んじて、借地や借家を使用できるように、地主、 家主の所有権を制限しよう、というものでした。 要するに強すぎる地主の所有権、強すぎる家主の所 有権の制限だったはずです。 借地権という財産権、借家権という財産権を保護する目的ではなかった。 居住の事実、営業している事実、あるいは家を建てて人が住んでいる事実を保護しようというので あれば、前にのべた物理的朽廃にいたった建物の借地権は、なんらの保護に値しないということになります。 それなのに、トコトンまで借地人・借家人を保護しようというのは、社会立法の目的からはずれ て、借地権という財産権を守るために、地主の財産権を侵害している、と非難されてもやむを得ない のではなでいしょうか。 「このような裁判所の態度は、借地法の曲解にほかならないものです。 借地人と地主との公平なる利害の調節を放棄して、地主イコール強者、借地人イコール弱者、地主の権利の制限は無制限、借地人 の権利の制限は不可、という図式に偏していると考えられてもやむを得ないのではないでしょうか。 これはなんとか是正の方向に持っていくべき点です。 借地法・借家法は借地人・借家人の権利を保護しすぎたため、土地建物の取引きの自由化を抑圧し底地(建物のある土地)を買う人は(地価高騰の都心部などの例外を除き)ほとんどありません。 ろくに家賃も入らないような建物も同様に買う人もありません。 そのため、土地建物の取引は、更 地、空家などに限定されてしまいました。 そしてこれらの物件は供給が少なく、需要過大のため、地 価が騰貴して、社会問題になっています。 都内の区部で、戦前の建物の商店が並んでいるところがあります。 これは、例外なく戦前の貸家です。 戦後三〇数年たって、老朽建物は、都市の再開発を妨害しています。 これを再開発するだけで、土地建物の供給は増大します。 なぜそれが不可能か。 借家法の保護のもとに借家人がガン張っているからです。 借家権という財産権が、公共の福祉に従うことを肯んぜず、不当な自己主張をしているからです。

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