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地方物件には「利回り」の数字に現れないリスクもある

2018年8月30日「木曜日」更新の日記

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入居者が変わったとき、壁紙やフローリング、その他の設備などを改装するのにかかる金額は、同じ広さの部屋であれば首都圏でも地方でもあまり変わりません。しかし、入居時点で借り手から預かれる敷金の額は、首都圏と地方では相場がかなり違います。敷金は家賃の何ヶ月分という形で預かることがほとんどなので、家賃の相場金額の違いが、そのまま増幅されて敷金額の違いになってしまうのです。たとえば、首都圏の賃貸マンションの家賃が9万円としましょう。敷金が家賃2ヶ月分であれば、9×2=18万円の敷金を確保できるのに対し、地方で5万円の家賃しか取れない物件であれば、5×2=10万円の敷金しか確保できません。ちなみに、家賃相当で何ヶ月分を敷金として預かるかは、地域ごとにある程度相場がありますので、物件のオーナーが自由に変えられるものではありません(理屈のうえでは自由に変えられますが、近隣物件より条件が悪くなって、入居率が下がってしまっては元も子もないため、相場に合わせる必要があります)。結果、同じ広さのマンション物件を改装したときでも、首都圏の物件であれば敷金の範囲で費用をまかなえるのに、地方の物件ではまかなえずに手出し額が発生してしまう、というケースがよくあるのです(たとえ手出しがない場合でも、敷金に対する改装費の割合は一般に地方のほうが高くなります)。こうした改装費については、表面利回りはもとより、実質利回りの計算の際にも考慮に入れられないケースが多く、地方物件の見えないリスクとして働くのです。

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