SUMAIRINA

トップ > 平成30年10月> 2日

クリーニングはどこまでやるのか

2018年10月2日「火曜日」更新の日記

2018-10-02の日記のIMAGE
夫婦仲が悪くなって離婚しそうになったら、原点に戻って話し合えば何とか収まるが、バツイチ同志が危なくなっても、原点に戻るわけにはいかない。何故なら、原点に戻ろうと思っても、原点そのものがあやふやとなり、判断がつかないからである。ところが、不動産業界の"クリーニング"については、初めて登場した新入りのくせに、名前ほど清らかではなく、あやふやなものを感ずる。そこを消費者は、良い気になって突ついてくる。「何よ、扣除が終わってると聞いたけど、魚焼器の中に油がついてたわよ。本当にクリーニングしたのかしら」……どうせまた魚を焼くのに、何を威張っているのか?「この浴室の折戸のゴム枠、汚いわね。シミてるみたいよ。なんとかならないかしら」「フローリング床のキズ、埋めたのかね。黒い点のようで、気になるなあ」と、お客様は言いたい放題である。クリーニング業者もしっかりやったには違いないが、清掃にも限度があるし、言われる筋合いでないものもある。管理している不動産業者とて同じで、一応はしっかりクリーニングはするが、相手が王様や大金清掃代支払者じゃあるまいし、どこまでも言われる道理はない。まして、私達中小業者は、借主から清掃代などもらってない。大手業者のように、募集のために家主からクリーニング代をもらい、更にきれいにする名目で借主からもクリーニング代をもらうのとは、やり方が違うのである。いったん前の人が解約した後で、次の募集のためにオーナーからクリーニング代をもらう。これが道義であり、一般的に良いと考えている。クリーニングとは、汚いよごれやアカーシミを除去し、とれるものをとりきれいにするだけで、徹底的に磨き上げる義務はない。いくらお客様とはいえ、ことさら難しいことを言って、重箱の隅まで指滴されるいわれはない。あんまり突つかれると(それでは何ですか、あなたは去る時、きれいに掃除して出てくれますか?)、と言いたくなる。というのは、昔と違って、うるさい人ほどだらしない人物が多いからである。中には、ゴミ一つで文句を言う人もいる(……礼金ゼロ、敷金ナシ、入居サービスもしてやったのに、まだ言うのかい?)。私は業者を呼んで。「悪いけど、こことあそこをもう一度落してくれないかな。借り手も決まったんでさ」言い訳をしながら、再度やり直しをさせる。文明国ってつらいよな。皆ながやり出すと、どっかでやり過ぎてしまうんだよね。何も考えずに。ピカピカに磨く。借主は何もしない。黙って冷たい目で見ているだけ。

このページの先頭へ