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不動産業の人問性、哲学を知らねば

2018年10月10日「水曜日」更新の日記

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学問は理論を確立することは必要だが、経済学を現実の社会で応用した場合は、最初は理論が先行するが、そのうち社会の状勢に合うように理論が修正され、実社会の動行や消費者の利益に左右されるようになる。同じことは、不動産業や不動産経済学にもいえる。生きた理論は、生きた実践の場から生まれる。空理空論は危険であり、社会から消える。そして、もっと大事なことは、根底に人間性や哲学の素養がなければならないこと、である。正に今の不動産業に欠けているものがこの二つであり、品格を欠く原因でもある。では、不動産業における哲学とは、何であろうか。何か大事で、何を知っていなければならないのであろうか。真実はどこにあり、私達の処すべき姿勢はどこに向けられなければならないのか。このことを知っていないと、路頭に迷う幼児のように、失敗をくり返しながらフラフラすることになる。我々実践の場で働く事業者にとって、難しい問題に直面したとき、簡単に答えを解くコツは、現実を詳細に分析し、相手側からも視点をとることである。この点、学問には大きな欠陥があり、一つの視点からしか社会を見ないので、役にも立たない理論をふりまわすことになる。例えば、住宅販売や物件賃貸の場合。売る側の採算ベースや貸す側の条件しか考えず、一方的な視点でものを見て、行きづまってしまった。これを簡単にいえば、スーパーマーケットが150年の歴史の中で、一方的に大量販売に向かったのに似ている。相手方が弱小の個々であることを良いことに、押しつけ販売してきたのである。だが、その上にいくら法規制をかけようと、相手は消費者であり、人間である。消費者を大事にし、人間性を重視しなければ、うまくゆかない。何か大事かを立証するには膨大な紙面が必要であるが、では範囲を狭くして、不動産賃貸業界にしぼって考えてみたい。今の業界で明白なことは、どの会社も"借りる側に立った契約書を作っている例はない"という事である。一方的に貸す側に立って条文を書き、業者もそれに加担している。そこに経済行為のアンバランスがあり、不公平がある。人間性無視もあると言わざるを得ない。今やオートメーション生産やビル建築など朝飯前の世の中。もっと借り手の利便と幸福を考え、その上で不動産業者の利益となるようなシステムを考えないといけない。それにはまず、自分を消費者の立場に置き換えて考える事、である。反対の立場に立ってモノを考えれば見えなかったことまで見えてくるし、良い知恵も浮かぼうというものである。

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