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不動産業への見方を変えよう

2018年10月11日「木曜日」更新の日記

2018-10-11の日記のIMAGE
私は若い時から不動産業を始め、不動産業を本職として生きてきたので、不動産業がどれ程きびしく重い責任のある仕事か知っているし、世間の羨望と悪意の混じった評判も知っている。また、役人の不勉強や無関心による安易で一方的な規制が、どれほど業者を苦しめてきたかも、知っているし、肌で感じてきた。そして老年に近づいてきたので、もうここいらで意を決して、真実を言わなければ、という熱い思いも持っている。私達は資産又は住居、店舗を扱うという大切な仕事に関わりながら、きちんと評価されているだろうか?過度に低く扱われていないだろうか。それを検証し、現実を把握する前に、私事で恐縮だが、一つのヒントをお話ししなければならない。―いったい、不動産業者は世間が思っている程、常識や見識の劣っている人間の集まりなのか?勉強もしない体育会系の人間ばかりで、進歩・発展性のない人ばかりなのだろうか。つまり、失礼な話だが、そんなに質の劣っている人の集団といえるのだろうか――ということである。頁数がないので、端的にいえば、答えは"ノウ"である。その実例を一つ。私は10年ほど前に、某経済団体に加わって外国を視察旅行し、毎日著名な方々と寝食を共にし、いろいろなことについて議論した。その中に日銀出身で○市支店長まで務めた超エリートがいて、私は親しくしていただき、恐る恐る私見を述べ、彼の持論もうかがった。私にとっては、雲の上の人。学識も人間性も業務知識も、数段上の人と思っていた。ところが、8日間で私か得た結論は?いや、こんな立派な人でも、社会を見る目や人間を見る目、仕事への心得は、私の方が上ではなかろうか、と謙虚な結論。意外であった。役人は戦後62年間、不動産業に対しては一方的に規則ばかりかけてきて、不動産業を優遇してこなかった。総量規制をかけたり、超短期譲渡税をとったり、取引上の面積届出制までやっているが、要するに利益が出ないように網をかけているだけ。これが頭の良い行政官なら、一方で売買できないよう規制をかけたら、他方で媒介手数料率を上げたり、便宜を図るのは当たり前。苦情処理も同じで、昨今は悪質な消費者がごまんといて、不動産業者を苦しめているのも理解していない。今や業者をどう育てていくか、不動産業を育てる事が、社会を豊かにするのである。国民のみんながしくじったバブル崩壊後の経済停滞、これを救ったのが不動産ファンドだったことを忘れてはならない。

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