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世の中、どう変わったか

2018年10月16日「火曜日」更新の日記

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ものの見方は、立つ位置によって見解が異る。不動産業関連の変化を冷静に分析すると、豊かになりながら、逆に非人間化、人間疎外へと進んでいることは確かである。私は不動産業者であると同時に文明批評家でもあるので、二つを同時に論じてみたいと思う。皆は人間が中心にいてそのまわりに財産が群がり、財は人間をひき立てていたものだが、今や財貨の台座の上に人間が立つ。人間が財産を支配し個性を発揮するどころか、財貨がなくなると人間がひっくり返る時代である。それ故、財産や財貨がいっぱいあるから立派だというわけにはいかず、積み上げた財貨の上に立っている人ほど、高くて目がまわり、うっかりすると転ぶ時代である。"それでは危なくて大変でしょう"とばかりに、親切な銀行や税理士は財産の効率的な処分を勧め、必殺仕掛人の税務署は財産減らしに温かい手を差し出してくれる。それは"酒を飲んだら、乗るな"という一方的な言いがかりと同じで、目標を達成するためにはふり向きもしないでひた走る、感情大国日本のいつものパターンである。冷静さを欠き、反対者を封じこめ、真実を語らない。リーダーになるには最も不適切な資質といえる。しかし、今のところはうまくいっている。格差是正のために個人が大きな財産を持つことは嫌われ、兄弟姉妹の均等相続、土地建物の換金化、居眠り資産の処分、賃貸経営の効率化など、すべて金銭化され、財は流動化されている。その根底にあるのは拝金主義と合理主義であり、人間性など二の次となる。こういった事情により、都会で住宅を買うのは車を買うように容易となり、手軽に気軽に必要な住宅は買い、不要な住宅は処分する。確かに、便利になり、マイホームは夢どころか、単なるベッドの軽さまで落ちている。債権国家日本は、食うに困らないし、余り働かなくてすむ。勤勉貯蓄などという農耕文化は昔の気質であり、結婚は不自由で離婚は自由、汗水たらして働く者は愚かで、大きな夢を持つ者は間抜け、顔は磨きたてれば美人でスタイルの良い人が善人で、口の上手い人が優秀となる。はて、どこかの怠惰なラテン国で聞いたような話だが?どうしてこうなんだっけ?加えて、少子化や核家族、人口高齢化がからむが、不動産業界は流動化に向けてますます活発となる。税対策を勉強し、コンサル技術を活かして、前向きに仕事をするチャンスである。10年前は、飲料水など買う人は変人だと思われた。だが、今や旨い水を買わない人は時代遅れ、かくの如く身の周囲はどんどん変わっていく。

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