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カオスというより変化の激しい世の中

2018年10月19日「金曜日」更新の日記

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不動産を相手に仕事をしていると、どうしても保守的になり、時代の変化に遅れを取ることになる。簡単に言えば職業病と言えなくもないが、相手が動かないモノであり、社会や時代の流れを無視する物体様だから、この現象は致し方ない。良き習慣や伝統を守りながら日本的経営をしているのだ、と言えば格好良いのだが、残念ながら今の時代の流れ方は激しくて早く、そんなことを言っている暇はない。かといってどこかの先生のように、分別のある老人でありながら、無差別に新しいモノに飛びつき、新型の商法をヨイコラしようとも思わない。定見のない人は、無知に均しい。世の中急激に進歩し、日本も世界も情報が蔓延したのに、落ち着いて考えてみると、一番大事なものは何か、今一番困っているものは何か、解らなくなってきている。逆に言えば、そんなことは解らなくても時は流れるし、いつしか問題点も解決してしまう。一喜一憂することすら、無駄といいたいぐらいである。食うには困らず、福祉は整い、社会は安全で、豊かだからであろう。では、現実に不動産業者として何か一番困っているかというと、困っていることは意外な所にあり、隠れた落し穴のような気もする。では、その問題をどう解決するのかと数人の友人に聞いても、名案はない。新聞や報道を見ても、本気で取り上げてもいない。それは、何か。それは「若い女性の正社員の不足」である。私の事務所も業務を機械化し、IT化するべく体制を築こうとしたら、はたと困ってしまった。若い女性がいない、いくら募集しても集まらない。労働条件を緩和したり休日を増やしても、応募者がいない。これを、2年以上やっている。そして、何故こうなのか、どうすればいいのか、根本的な解決策が解らないのである。一方で、世の中は巨大な回転をし、変化していく。独善的なアメリカ一辺倒は崩れるし、科学万能の現代では、幼稚なキリスト教や仏教の教示も通用しなくなる。中国は日本を見習って予習し、アメリカの債権を買う代わりに資源を買いあさる。日本は伝統である労働・勤勉・誠実からかけ離れていくし、新しいモラル構築が急がれている。物心両面でめまぐるしく変化しすぎる。激流の中では、動いても損。動かなくても損。カオス(混沌)の中で、あえて言えば、保守的な業種の仕事をしていて良かったな、と一人合点する。不自然なスピードの速さの変化と思わぬ豊かさ。こんな社会だからこそ、逆にビジネスのチャンスがある。だが、人間らしい心と体はちょっぴり抵抗を感じるのである。

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