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「採光」と「風通し」が最優先

2018年12月19日「水曜日」更新の日記

2018-12-19の日記のIMAGE
それにしても、こうした業者のやり方が成り立つということは、消費者の側も少し考え方を変えるべきなのかもしれません。確かに「日照」は大きな魅力。洗濯物がよく乾く、冬でも昼間は暖房が必要ない、といったメリットも当然のことながら、何より日差しの入る部屋というのは気持ちのいいものです。しかし残念ながら、現在の建築基準法では日照時間の規制は特にありません。建築基準法には、「窓その他の開口部を居室の床面積の7分の1以上あけること」という記述があるだけです。つまり、どの部屋にも広さの七分の一以上の大きさの窓をつけなさい、ということです。それは、窓の向きにかかわらずですから、南向きではなく日が射し込まない北向きの窓でもいいわけです。あくまで「採光」の基準であって、「日照」の基準ではないのです。この規準をクリアしている限り、業者は日当たりのいい住居を作るより、敷地の中でいか106に多くの住居を作るかを考えるはず。おまけに、日照を受ける部屋が一つでもあれば、悪徳業者なら「日当たり抜群の部屋」などというコピーを宣伝に使うに違いありません。せっかく南を向いていても、束側に大きな窓があっても、日が差さない暗い家ではなんの意味もありません。それより、方角がどちらを向いていようと、「採光」と「風通し」のよさを規準に家を選ぶほうが得策かもしれません。最近のマンションの中には、東向きや西向き、ときには北向きでも、採光や風通しを配慮した設計の物件も出てきています。方角だけで敬遠せず、違った角度から検討を加えつつ、よりたくさんの物件を見てみることも満足する住宅選びには大切です。

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