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スムーズに開閉できるか

2018年12月24日「月曜日」更新の日記

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住居の中で一番使われるものといえば、開け閉めにかかわる部分です。ドアや窓、ふすまや障子などがその例です。これらがスムーズに動けば、何の問題もないのですが、開け閉めがきつくなったり、ピタリと閉まらずすき聞か出来たりするのは、何か原因があるはずです。新築の住居さえも、入居後しばらくしたらすき間が出来たという話もあります。建具の不具合いから建物の骨格である軸組のゆがみが発見されたという話は意外と多いのです。「中古住宅なら仕方ないだろう」と思う人もいるでしょうが、残念ながらこのような事例は新築住宅でも起きていること。ですから、新築でも中古でも家をチェックする際、建具の調子を調べる作業は、建物の危険を察知する意味でも非常に大切なのです。買い求めたいと思っている家の玄関のドア、室内のドア、サッシ類、ふすま、引き戸、据え付け家具の扉など、開閉できるものはすべて何度も動かしてみることです。そして、開け閉めはスムーズか、サイズは合っているか、すき間はないか、鍵はかかるか、擦れるところはないか、簡単にはずれたりしないか……などなど、丁寧にチェックしていきましよう。もちろんマンションの場合もまったく同じ。開け閉めできる部分は、すべて納得のいくまで動かしてみることです。しかし、具合いの悪いところが見つかったからといって、即、家が傾いているというわけではありません。和室のふすまなど木造建具には、乾燥による変形、あるいは建具が取り付けられている枠の変形がよく見られます。例えば、和室と洋室の境に造られたふすまの場合、片側にビニールクロス、もう片側に和紙と化粧ベニヤを張っているため、ビニールクロスが乾燥することによって収縮し、ふすまが反り返ったという例もあります。アルミサッシや引き戸の場合は、戸車の不調や破損ということもありますし、玄関のドアなどは蝶番の変形やネジのゆるみなどが考えられます。まずは、こうした建具自体に問題がないかどうかを確認しておかなければなりません。業者立ち会いのもとで確認しましょう。それで原因が分かれば、直ちに修理・修繕してもらいます。建具の形状や部品に異常がないときは、いよいよ建物の構造に目を向ける必要がありそうです。軟弱地盤による不等沈下(地盤の軟弱な部分だけが沈下する現象=次項)や、柱や梁など軸組の取り付けが悪い、白蟻の害で柱や梁が部分的に荷重を支えられない、といったことが原因で家が傾くこともあります。いずれにしても、こうした大きな欠陥については勝手な判断を下すのは危険です。いたずらに心配するのもよくありせんが、「たかが建具の不具合い」と軽く考えず、おかしいと思ったら信頼できる専門家に調査を頼むのが一番です。調査費に多少お金がかかっても、それで安心を買えるのであれば安いものです。

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