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鰻の寝床

2019年3月10日「日曜日」更新の日記

2019-03-10の日記のIMAGE
マンションの中の一戸の形は、町屋の形によく似ている。両側を隣家に挟まれて壁ばか りの「鰻の寝床」と呼ばれる奥行きの長い家の形だ。町屋は地面に接しているから中庭な どを取って悪条件下でも住みよい家を造ることができるが、マンションは空中にあるから 手も足も出ない。それが出せたら良いのにと思う。 香港に行ったことのある人は多いであろう。商店街で人がごった返しているビルの谷間 の町の上方は集合住宅になっているが、その一戸一戸から外に向かって、勝手にするのも いい加減にしろと言いたいほど乱雑に部屋を張り出している。汚いと思えば確かに汚いし、 危険に思えるものもあるが、中国的と見る褒め言葉があってもよい。日本のマンションは 住む人たちの所有物であっても外に張り出すことは認められない。 ベランダを室内化することすら許されない。しかし、香港方式が許されれば、無表情とも 思えるマンションを個性的に美しく変え、居住空間を拡大させる一挙両得の面白い家づくりが出来る可能性があ る。どなたかやってみる気にはならないか。マンションは今のまま以上に広くすることは不可能だから、、狭いマンションを広く住むなんてことはできる筈がない。できる筈もないことを無理にするのだから何かを我慢するか割愛するかの手しか残されていない。 何から始めるか。先ず持ち物を減らすことだ。 要らない物はどんどん捨てる。どうもこ れはエコロジーに反する行為だから言うべきではないとは思うが、生活のための巳むを得 ない行為という言い訳を考えて捨てる。これは相当に有効な手段になる。例えばソファな んてものは、買う時に広々としたショールームで、マンションに住むことになったからこ れ位のものは置けるな、と考えた矢先、店員の「これは、今一番売れてる人気商品なんで す」という言葉に釣られて買ったのではないかな。 うちに届いてみると置けるには置ける が、ショールームで見た感じとは大違い。河馬か象が家の中に居座ったほどに大きい。誰 もが好むL字型ソファなるものは畳二枚分ほどの大きさがある

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