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増改築前にする骨組みの調査③

2019年3月30日「土曜日」更新の日記

2019-03-30の日記のIMAGE
" 増改築前にチェックしておきたい既存建物部分の骨組みの安全性について検討したいと思います。地震対策は補強方法を検討するわけですが、既存の構造体が新築以来まったく問題がなく現在に至ったわけではありません。  そこでまず基礎回りのチェック。建物の周囲をぐるりとまわってみて、基礎部分にクラックが見られないか。 RC構造ですと、壁や柱部分を外部から調査する必要があります。不同沈下があればそこにはっきりと証拠のクラックを発見することができます。  外壁や窓回りのチェック。窓周辺のクラックや壁材のずれ、白く垂れる白華現象、コーキング材の劣化状態なども調べ、状態が悪ければ工事の際に補修します。「リシン吹き付け」仕上げなどは早くて5年から6年で防水性能が落ちてきますし、普通の吹き付けタイルでも10年を目安に吹き替えを検討したほうがいいでしょう。  屋根は登らないとわかりませんが、屋根材の劣化状況や雨樋の具合いなども含め建物の構造に大きな影響を与えるだけに念入りにチェックする必要があります。瓦のずれやクラック、コロニアルなどのスレート系の劣化やクラック、金属板の塗装の状態などですが、いずれも表面を撫でて手が白くなれば「チョーキング現象」という表面の冷膜の劣化状態ですから塗装が必要となります。  内部は壁回りや天井の隅部分というのが歪みを見つけるポイントになりますので、気になるところは工事の前に専門家にご相談下さい。和室があったら畳の下の床板をはずしたり、床下収納がある場合は箱を抜いて床下の状態も把握しておく必要があります。最後は天井裏ですが、ぜひどこかから潜り込んでみて下さい。屋根下地材の雨漏りの跡、構造金物の緩み、断熱材の状態など、新築時にはまったく気づかなかった建物の状態を観察することができます。せっかくの増改築ですから見えないところの補強も手ぬかりなくどうぞ。

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