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大きな間違いは起きない

2019年5月2日「木曜日」更新の日記

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お買い得物件とは、街と物件との間に、最有効利用の歪みが潜在化している物件であると同時に、リノベーションのポテンシャリティが高く、選択肢が多いことです。売れ残っていても、実はお買い得物件であると見抜けるか否か、そこが分岐点になります。われ先にと競売物件に入札していても、まったく儲かってない業者がある一方で、一般マーケットからこっそりと仕入れて儲かっている業者もあります。「繰り返しますが、お買い得の定義とは「価格に対して資産価値が適正である」という意味です。この金言を忘れないでほしいのです。「相場よりも安い価格で売っている物件はお買い得だ」というロジックが、何の説明にもなっていない循環論であることに気づいてほしいのです。「お買い得な価格を、単に価格で説明することはできません。他の指標が必要です。それは、賃料でもいいし、眺望でもいいわけです。「この眺望で、この価格!」とやらなければならないわけです。できれば定量的な指標は避けて、「この眺望で、この自然環境で、この街並みで......」といった定性的な指標を使うのです。これは、考えてみれば不思議な論理展開なのですが、なぜか騙されてしまうのです。マーケットにはその物件が潜在的に内包する資産価値に対して価格が適正でない物件がたくさんあります。それに気づくか、気づかないか。結局、お買い得物件はゴロゴロあるのですが、気づかないだけなのです。相場より割安でも資産価値が低ければ意味がないし、逆に資産価値が高くても、自分にとって利用価値が低い物件であれば買う必要もないでしょう。「つまり、個々のライフプラン(人生設計)だけでなく、ライフスタイル、財産形成プラン、家族構成など、それらの戦略的なシナリオと不動産というものが、マッチするか否かでお買い得の度合いが決まります。それも、長期で考えなければ意味がありません。そして、換金性という重要なリスクマネジメントの発想が、そこに組み込まれていなければならないのです。誰にとってもお買い得な物件はこの世に存在しませんが、誰にとっても売りやすい物件を取得すべきです。この禅問答を理解してほしいと思います。1回で理解できなければ、繰り返し読むことです。十人十色の誰かと、何百という候補物件との間には、何千という最適な組み合わせのパターンがあるということです。もっとも、あれこれ考えるのが面倒ならば、結局のところ将来性の高いエリアに、潰しの利く建築構造のもので、最有効が成立しやすい専用面積さえ確保したマイホームを買っておけば、どうにでもなると、アバウトに考えてみるのも一方法かもしれません。要するに「貸せる、売れる、住める」という三つ要素を、どう捉えていくか。それさえ忘れなければ、大きな間違いは起きないでしょう。

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