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練りに練った

2019年5月16日「木曜日」更新の日記

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山崎式収益還元法をお教えしましょう。さて、手法は、実は山崎式と言っても過言ではありません。これは、練りに練られた独自の収益還元法です。とは言っても基礎理論はキチンと押さえてありますから、ご安心ください。基本的には、オーソドックスな不動産の鑑定理論を踏襲しています。しかし、エンドユーザーにとっての実用性は、こちらのほうが上だと自負しています。計算法をマスターする前に、確実に押さえておかなければならないことがあります。それは「最有効利用という概念」です。それが理解されると、街の将来性を占うことができます。そこから説明しましょう。またも繰り返しになりますが、ある特定の不動産(土地と建物が一体となった状態)において、そこに最も資産価値のある状態が創出された場合、その不動産は、最有効利用されたプランの不動産と呼びます。以後「最有効プランの不動産」と省略します。不動産鑑定士の業界では、これを最有効「使用」された不動産と呼びますが、私は最有効「利用」された不動産と呼びます。再度、確認しておきます。不動産は、単に所有し続けて「使用」するためだけのものではなく、時には転売してしまい、サッサと「さよなら」する場合もあります。その場合の日本語は「使用」ではなく「利用」だからです。最初に欧米から導入して用語を決めた人が翻訳を間違えたのかもしれません。できるだけ誤解の起こりやすい用語は避けたいので、広義で使えるように「利用」とします。次に、その最有効プランの内容はというと、それは、立地条件によって変わるものです。つまり、立地が変われば、最有効プランも変わるということです。ここまでは、復習です。通常は「街があって、立地があって、最有効プランがある」という思考プロセスをたどります。それが、オーソドックスな不動産の鑑定理論です。全国各地の有能な不動産鑑定士は、皆、そう考えます。しかし私は、逆の考え方はできないか。つまり、「最有効プランがあって、立地があって、街がある」と考えることができないかと思いました。「逆も真なり」という考えも、可能ではないかと考えたわけです。「最有効プランとは何か」という命題を最も優先するのは、人知が街をつくると考えるからです。居住空間の価値は、そこに住む人が生み出す経済的な付加価値が、通貨(=賃料)に変換されて成立するものです。

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