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ロングステイは自分自身でデザインするもの

2019年9月2日「月曜日」更新の日記

2019-09-02の日記のIMAGE
私はかつて南フランスのカンヌに一週間ほど滞在する機会があった
そのときにニースのシャガール美術館、マティス美術館、アンティーブのピカソ美術館などを見て周り、堪能した
それらは美術書で見るのとも、日本のデパートの催事場で時間を区切られながら、人の頭越しに見るのともまったく違う体験だった
お気に入りの絵の前に座り込み、たっぷりと時間をかけて、心行くまで「対面」した経験は生涯忘れないだろう
その場に行き、断崖の上に立つピカソ美術館から眺めた紺碧の地中海のきらめく波などをみた瞬間、印象派の画家たちがなぜ光を大切にしたのかもよく理解できた
私自身の経験ではないが、ニューヨークに二週間ほど滞在したある人は、ジャズクラブめぐりをした
「とんでもないビッグネームがふらっとやってきて、すごい演奏を聞かせるんだよ
しかもすぐ目の前でさあ
日本で行くジャズコンサートは、よそ行きでお出かけ感覚で、どことなく堅苦しいんだけど、そんなところが全然ないんだよ
家に来た友達が余興で演奏してくれているっていう感じで、あれがジャズの本当の聴き方だと思ったね」みなさんにも、ぜひ積年の夢をかなえるロングスティを実現していただきたい
そこでこの本では、ロングステイを語るときほとんど無視されてきた場所、具体的にはニューヨークやロンドン、パリといったエネルギッシュな大都会~も積極的に紹介することにした
もちろん、のんびりするだけのロングステイでは夢がないと言っているのではない
「とにかく働きづめだったので、家のことを任せきりだった妻と、しばらくのんびりしたい」という方もいるだろう
それはそれでいい
「とにかくのんびりする」も「妻をねぎらう」も、立派な夢である
ただし、よく言われることだが日本人は「ただのんびりする」のが苦手な民族だ
だから「のんびりする」ことを目的にする場合も、ちょっとした山歩きが楽しめるとか、街に出やすくウイウ・ショッピングができるとか、習い事ができるとか、「のんびり何かする」ことができる場所を探すのがいいと思う
のんびりとしたロングステイもいい
活発で密度の濃いロングスティもいい
要は「したいことは何か」をじっくりと検討して、自分にあったロングステイを「デザイン」すればいいのである

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