不動産の担保評価手法の変化
2019年10月10日「木曜日」更新の日記
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- 従来、金融機関が融資に伴って行う不動産の担保評価手法については、「2 10 不動産のマーケット価格と評価方法」で述べた評価方法のうちの、土地の 価格を中心とした取引事例比較法と原価法が中心でした。近年は不動産市場の 変化に伴って、担保評価の方法や考え方が次のように変わってきました。(1) 収益価格の重視従来は担保不動産が住宅であろうと事務所ビルであろうと、担保評価の手法 は基本的には土地の価格を中心とした取引事例比較法と原価法を適用していま した。不動産価格が右肩上りであった時代にはその方法で大きな支障はありま せんでしたが、不動産価格が下落をする時代になると、より厳密な評価が必要 になりました。不動産の価格は利用を前提とする収益性に着目して形成される ようになり、すべての物件の評価に関してその不動産が生み出す収益に基づく 価格、つまり収益還元法に基づく収益価格が重視されるようになりました。特 に事務所ビルなどについては、市場価格がその収益性に応じて価格形成がなさ れるため、ますます収益価格の重要性が増してきています。このような評価手法の変化によって大きく評価額が異なってきた不動産の典 型がゴルフ場でしょう。土地の買収費や造成費などを積み上げる原価法で評価 すると 300億円などと評価されていたものが、収益価格では 10億円と評価されることも珍しくありません。
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