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境界も移動する

2019年10月14日「月曜日」更新の日記

2019-10-14の日記のIMAGE
阪神・淡路大震災の際には地震の揺れによって土地の境界が数十 cm もず れた場所がたくさんありました。このような場合、国は境界のずれに対して どのような判断を下したのでしょうか? この際、法務省から地殻変動のあった土地の登記の取扱いについての考え |方が次の通り発表されました(法務省民3・2589 号回答)。「地震による地殻の変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平移動した場 合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う。なお、局部的 な地表面の土砂の移動(崖崩れ等)の場合には、土地の筆界は移動しないも のとする」つまり前文では、土地の筆界は地表面において境界標識等により明らかに されているが、地震により地殻が変動すると、それに伴って地表面も移動す る。そのため土地の筆界もその地表面の移動とともに地域全体が相対的に移 動したものとして取り扱うとしたのです。また、局部的な地表面の土砂の移動 (崖崩れ等)については、「崖崩れ等の地表面での土砂移動の場合は、通 常、局部的に発生する現象であり、人為的な復元が可能である」と考えられ ることから、土地の筆界への影響はない、つまり移動していないものとして 取り扱うこととしました。このことにより、登記手続きは、「土地の区画の 形状変化は登記所備え付法17条地図又は地積測量図による地震前の区画の 形状と地震後の区画の形状(関係所有者等によって確認されたもの)の測量 との比較により判断する」として、その結果が地図または地積測量図の誤差 の限度内であるときには変動がないものとして取り扱い、誤差の限度を超え る場合は震災による地殻変動の地表面の筆界移動を原因として土地地積変更 登記として取り扱うとしたのです。

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