SUMAIRINA

トップ > 令和2年1月> 3日

地上権と賃借権(借地権)

2020年1月3日「金曜日」更新の日記

2020-01-03の日記のIMAGE
土地賃借権も、法的保護は不安定なものであっても、地主と借地人との間が円満にいっているような場合には、それなりに円滑に機能していたが、この法的不備が表面化したのは、日露戦争(明治37~38年)の直後に起った地露売買である。この戦争を契機としての産業の発展にともなって、都会地の地価が急上昇した。しかし、地価は急上昇したが、地代はそれに比例して値上げできるものではない。地主が地代の値上げを交渉しても、借地人はなかなかこれに応じない。それに当時は、現在の借地借家法11条に規定しているような契約期間中の地代増額請求権のような規定もなく、地代値上げの要求を法的に解決することもむずかしかった。それで地主は、借地権の登記していない賃借権が新土地所有者に対抗できないことに目をつけ、仮装的売買をして土地の名義を他人のものとし、その他人(新土地所有者)をして、土地の明渡しを迫り、それがいやなら、言うがままに借地の年限も定むべし、地代の値上げもすべしと脅かした。これは、土地の所有権が動揺して、地上のあらゆる建物を腹い落とす効力を生ずるというところから、地設売買と呼ばれ、東京地方裁判所に明治39年からの3年間に訴えられた地所明渡事件は計392件にのぼり、その大部分が地震売買によるものであった。そして、このような事態から、借地権の登記をしていない借地人を保護するため、明治42年に「建物保護ニ関スル法律」が制定・施行され、建物の所有を

このページの先頭へ