SUMAIRINA

トップ > 令和2年2月> 5日

エ事中のトラブル防止法

2020年2月5日「水曜日」更新の日記

2020-02-05の日記のIMAGE
着工したら、もう迷わないことです。「南側の花壇も壊すんですか、あそこには水仙が植えてありますの。とてもかわいいんですよ。1年のうちでいちばん早く咲く花ですし......困ります」取り壊し3日目に突然、南さんの奥さまからこういわれて、こちらも困ってしまいました。北側の玄関はいつもじめじめしていて、カビ臭くていやなことや、冬は寒いし、玄関ポーチから門までの道が凍ってすべるので、もし転んで骨でも折ったらどうしましょう、ということで玄関を南側にもっていきたいというのがそもそも南好夫さん(56歳)の相談でした。「1日に何度も玄関から出入りするわけではないでしょ。貴重な南側にわざわざ玄関をもってこなくてもよいのじゃありません?」と私も念を押したのですが......。さらに、「南側をやめて、東側に玄関をもっていったらどうなりますか」と南さん。「東側にキッチンとダイニングをつくって、朝日の当たるところで朝食をしたいとおっしゃっていましたね」と私。「では西側にもっていってください」と南さん。「この家は西日が強くって、暑くてかなわないとおっしゃっていたでしょ」プラン決定まで、あれでもないこれでもないと検討して納得したはずでした。「工事を中止して、一からプランを考えてみましょうか」という私に、「工事が遅れるのは困ります。玄関をちょこっと変えればいいのですから」と南さんは涼しい顔。「玄関の位置を変えれば、間取りも全部変わりますよ」「間取りは今の設計がとても気に入っていますから、このままでいいのです。玄関だけくっつけてください」南さんは別に意地悪をしているわけではないのですが、こんなことは不思議の国のアリスでも章なければできません。そこではじめて相談にこられた6ヵ月前に戻って、なぜこういうプランになったのか、もう一度復習することになりました。寒い冬に相談にみえて、着工は梅雨明けの7月になりました。夏になると冬の出来事はすっかり忘れてしまっていたのです。南さんのように、設計者と打ちあわせを十分に行って、契約も取り交わし、着工してしまってからも迷う人があります。工事が遅れる原因のいちばんがこの建て主側の迷いです。子ども室とリビングルームのリフォーム工事で取り壊しがはじまったとたんに、「今回はリビングルームだけで子ども室はやめようかしら、そうしたらどのくらい安くなりますか」と聞かれてあわてたこともあります。現場には材料はまだ届いていなくても、大工さんはすでに自分のところで柱や梁などの加工をはじめています。その他の材料も、取り壊しが終わったらすぐに工事にかかれるように手配は全部すませているのです。

このページの先頭へ