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職人さんの心意気を知る(2)

2020年2月7日「金曜日」更新の日記

2020-02-07の日記のIMAGE
(1)土足で上がらずに上ばきを用意する。和室の敷居をハイヒールで踏んでいた奥さんを見たときは、あわてました。職人さんたちが自分の現場を、どんなに大切に思っているかということを、私はいやというほど知っています。ですから上ばきを別に用意して、靴をはきかえて現場に入ります。うっかり上ばきを忘れたときは靴下のままで上がります。でもたとえ靴下のままでも、敷居の上に足を置くようなことはしません。足が触れないように、またいで通ります。床暖房工事のときなど、熱源となるパネルに傷がつくと、漏電などの故障の原因になりかねません。小さなゴミでも注意して、ていねいに取り扱う必要があります。そこへどかどかと土足でのられてはたまりません。しかし職人さんにとっては、たんに傷がつくから土足はいけないという以上の意味あいがあるのです。自分の仕事に対する誇りや、仕事場に対しての神聖な気持ちが感じられます。ですから、職人さんの仕事場にお邪魔するという気持ちになり、土足で踏み込むようなことがないような心配りが必要です。(2)職人さんの仕事はじめの時間は、たいてい8時ごろです。そこで10時というのは8時からはじ$めた仕事に調子が出てきて脂ののっている時間です。今日1日の作業の手順を考えながら、材木を切ったり、寸法を測ったりしています。そのときにおやつを出されると調子がくるってしまいます。でもおやつを食べないと悪いような気がするので、仕事を中断してひと休みすることになります。ひと休みすると、すぐに30分はすぎてしまいます。ですから午前中に一気に仕上げようとしていた仕事がはかどりません。親切はありがたいのですが、午前中のおやつは「有難迷惑」なのです。新築と異なり、リフォームの場合は、よほど大がかりな場合を除いては、そこへ住みながらということが多いのです。そこで禊を1枚へだてた向こうは現場ということになります。ですから、その気になれば10時・お昼・3時とお茶出しするのは、できないことはありません。それに昔から大工さんには10時・お昼・3時にはお茶を出すというのは、多くの人が身につけている習慣です。またこういうことが習慣だと知っているだけに、1日3度のお茶出しを考えただけで頭が痛くなってしまう主婦も多いのです。そしてその10時のお茶が、職人にとっても有難迷惑だというのですから、結論は明白です。

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