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優れた間取りの3つのこだわり「人」「光」「風」(2)

2020年2月21日「金曜日」更新の日記

2020-02-21の日記のIMAGE
"次に「光」の動きです。これを建築用語では「採光」といいます。そんなの窓を大きくつくっておけばいいんでしょ?という方も多くいますが、そういうものでもありません。 大地震によって大きな被害を受けた建築物を見れば一目瞭然ですが、窓ばかりで壁の少ない家が致命的な被害を受けています。強い家をつくるためには壁も必要なのです。ある程度の壁を残しつつ限られたなかで最適な窓の配置をすることが重要です。 また何が何でも南側の窓でないとダメだと思っている方も多いのですが、北西にしか窓が取れないような部屋でも窓の取り方次第では十分明るさを維持できます。 北側の窓というととても暗い印象をもたれるかもしれませんが、北側からの間接光というのは一日を通じて光量も安定しています。そのため集中力を維持しやすいのでアトリ工や勉強部屋などには最適だといわれているくらいです。 また、部屋の採光は十分に検討されるものですが、一方で廊下やホールが真っ暗という間g取りを見かけることもあります。部屋はさんさんと明るいのに、昼でも照明器具をつけなければならないような真っ暗な階段や廊下は嫌なものですね。 敷地の条件によっては天窓なども有効です。ただ、最近のものは性能もよく安心して使えますが、本来の屋根と比較すれば雨漏りなどのリスクは高いということは自覚しておいてください。 最後に「風」の動きです。建築用語では「通風」です。風とおしのよい家は長持ちします。湿気がこもるのは家にとってもそこに住む人にとってもあまりよいことではありません。 ですから、風の流れを考えて窓を採用するということが大切です。ひとつの部屋に最低でも窓が2つないと風は流れません。また2つあればなんでもよいというわけではありません。2つの窓の位置関係によっても通風の効果はまったく異なります。 自然な風の流れによって心地よい居住空間ができあがれば、エアコンなどに頼りすぎることもありません。声高に「エコ住宅」を訴えているハウスメーカーなどもありますが、ちょっとした設計の工夫のほうが大切ではないかと思います。"

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