SUMAIRINA

トップ > 令和2年2月> 24日

終の住み家にするなら、こだわりの家かシンプルな家か

2020年2月24日「月曜日」更新の日記

2020-02-24の日記のIMAGE
"いくら売りやすくするためだとはいっても、自分だけのこだわった設計を我慢するなんて嫌だなあと思われた方もいることでしょう。気持ちはわからなくもありません。 しかし、最終的に売ることなく、あなたがずっと住み続けることになったとしても「普通の家」「シンプルな家」というのはよいことが多いのです。 これは私が住宅業界に身を置いていて、つくづく実感していることなのですが、凝った家ほどトラブルが多いのです。そしてぱっと見たところ格好いい家ほどやはりトラブルが多いのです。 お客様からのご要望で外壁に本物の木を貼って仕上げることがあります。自然な雰囲気が出てたしかに素敵に仕上がります。しかし、その美観を維持するにはきちんと定期的に塗料を塗るというメンテナンスが必要不可欠です。自宅の外壁に木を貼っている家では、メンテナンスのために3年に1回くらいは塗装をし 直さなければなりません。足場を組んで、専門の業者を使ってということですから、費用もソコソコかかります。「そういうことをきちんと知ったうえで選択するならよいのですが、予想以上に費用がかさむことが原因で、メンテナンスがおろそかになってしまい、せっかく高い費用をかけてこだわった外観が結局はとてもみすぼらしく朽ちていってしまうということもあります。また、複雑な凹凸の多い家を希望されるお客様がいらっしゃいます。もちろん敷地の形状に合わせて、限られた敷地を無駄なく使うということなら話は別ですが、単にデザイン優先で、そのほうが格好いいからという理由でそうされる方も多いのです。 しかし凹凸の多い家は凹凸の少ない家と比較すると、構造的にもそれから雨仕舞い(雨水が建物内に入らないようにすること)も不利になります。もちろんよい施工をしたうえで同じ条件で比較した際に事故が起こる可能性としては、ということですが。入り隅という凹の部分は地震などの力が集中しやすく亀裂などが生じやすくなりますし、外周の形状が複雑になるということは一般的に屋根の形状も複雑になり、防水の施工も複雑になり雨漏りなどが発生しやすくなります。よい家の要素としては外観ももちろん大切な物だと思います。それを否定するつもりはありません。しかし美しい外観というのと複雑な外観というのはイコールではないはずです。シンプルな形状でも美しい家というのはつくれます。"

このページの先頭へ