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家は周囲の環境と深い関わりを持っている(1)

2020年6月14日「日曜日」更新の日記

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どんな小さな家でも、建てることで社会性を持ちます。普通、電気・ガス・水道は公共のものを利用することになりますし、そもそも、敷地が道路に接していなければ、住宅を建てることはできません。北海道の富良野郊外でつくったときは、電気もガスも水道もなかったので、すべて自前でつくりましたが、道路だけはありました。それだけではなく、建物は、周囲のものと一緒になって、ひとつの風景をつくります。自分の家と近隣の家とでつくる家並み、平坦であったり、坂があったりする地形、細い道、曲がった道、陽の光と木々の緑、風通しと空気のにおい。それらすべてを含んで町並みができあがります。「自分の土地なんだから、自分の好きな家を建てて何が悪い」という人がたまにいます。それは、住宅街の中に突然、天守閣のような建物があらわれてびっくりさせられることでもわかります。しかし、自分の家が周囲の景色に深い関わりをもち、社会的なものであることを自覚したなら、そうそう勝手なことはできないはずです。長い間、人々は高台で日当たりがよく、水はけの良い場所をすみかとして暮らしてきましたが、現代では、すべての土地にこうしたことを求めることはできません。特に都市部では狭小過密化し、高層集合化しているのが現状で、その中でいかに快適に暮らせるかが課題になっています。

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