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敷地のハンディを克服すれば住みやすい家になる(2)

2020年6月17日「水曜日」更新の日記

2020-06-17の日記のIMAGE
唯一、緑が望める西側は、すべて壁。この敷地のいちばんの長所でもある公園の景色を、取り入れていないのです。2階に子供室を増築し、西側に大きな窓をつくったところNさんは「緑と一緒に風も通り、2階の快適さは2倍になった」と、喜びをかみしめています。南側に広い開口部のある家は、明るい住まいのモデルのようですが、隣家が近くにあれば日差しは人らず、却って、部屋の中まで見通されてしまいます。基地の北側が空いているなら、北側に窓を設けて、光を受けて輝く景色を楽しみたいものです。昔は、すきま風が寒いため嫌われていた北側の窓も、現在では技術が進んで事情も変わりました。物が腐らないようにと、北側に配置されていた台所が、今ではより明るい場所に、家の中心にと進出できたのも、より快適に住むための努力が、建築技術や設備の改良とともに進められてきたからです。敷地がそこにあることでもつ長所を十分に生かしきることが、「良い家」をつくるための前提になります。条件の悪い土地でも、その欠点をしっかりと認識して、そのハンディを克服する設計をすることで、逆に楽しいアイデアを生み、住みやすい「良い家」をつくることができます。建築家は、条件の悪い住宅であればなおさらのこと、創造力がふくらみます。

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