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どんな住まい方がしたいのかを決める

2020年6月22日「月曜日」更新の日記

2020-06-22の日記のIMAGE
この章では、これから家づくりをしようという人が、どんな心構えで臨んだら良いかをまとめました。自分でプランを考え、図面を引いて、それでもまとめようがなくなって設計事務所に駆け込んでくる人が少なくありません。情報化社会といわれる現在、団らんできる居間のインテリアを考えようとか、子供部屋はどんな大きさが適当かなど、情報があふれています。また、設計やインテリアを、自分でやってみよう、などと提案する雑誌も出ています。新しい家をつくろうと決意したときは、今まで住んでいた家に、何らかの不満があるのは当然です。そのため、新しい家こそ、広い居間があって、天井は高く、子供部屋も子供たちの要求をすべて満たした大きさで、お父さんには書斎を、お母さんには落着ける家事室を、両親が泊まれる床の間付きの和室も必要と、希望はどこまでもふくらみます。限りある敷地と予算の中に、それらの希望をどう入れていったら良いのか、考えれば考えるほどパニックに陥るのも、また当然の結果と言えるでしょう。そんなときはまず、どんな生活がしたいのか、家族で良く話し合ってみてください。家族や友人が集まって、ワイワイ過ごすことが多い家庭なら、広い居間が必要でしょう。そのかわり、個人のプライベートルームは、寝ることができるだけの、小さなもので間に合います。一人ひとりが、自分の領域を大切にして生活しているなら、十分な広さをもつそれぞれの個室と、5畳くらいの小さな茶の間があれば良いでしょう。広い居間があっても使わないし、却って、個室が狭くなってしまうから、と考える家族があっても良いはずです。子供の勉強を見ながら片付けをしたいなら、大きなダイニングテーブルを置くことで、家事室はなくても十分間に合います。あり余る情報におどらされて、家はこうあるべきと思い込み、日常生活からかけ離れすぎると、あまり使わない部屋や、使いにくい場所ができたりします。せっかく時間とお金をかけて新築したのに、あり余る予算があるのなら別ですが、それこそコストの高い空間になってしまいます。家という器に合わせて自分たちの生活があるのではなく、こういうふうに終らしたいという夢があって、自分たちの住まいができ上がるのです。どんな住まい方をしたいのか、そこに住む自分たちのライフスタイルを決めることが、「良い家、満足できる家」をつくるために行う、最初の作業です。

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