SUMAIRINA

トップ > 令和2年6月> 25日

家族がくつろげる最高の居場所を確保する

2020年6月25日「木曜日」更新の日記

2020-06-25の日記のIMAGE
「住まいに何を望みますか」という質問に対して、「くつろげること」と答える人が多くいます。「狭いながらも楽しい我が家」という言葉からは、広いに越したことはないけれど、例え狭くても家は楽しくなければ、という思いが伝わってきます。近代以前の社会は、身分や職業によって生活が規制されていて、住宅は同時に、生産の場所でもありました。農家は農家らしく、職人は職人らしい生活の仕方が、社会の中で決められていました。近代になって、工業が生産の中心になると、人々は土地から切り離されて仕事に行くようになり、職住が分離されました。家は食事をし、休み、子供を育てる場所として、専用住宅化していったのです。そして現在は、職住があまりにも離れすぎ、男女共同参画社会という背景もあって、家はただ食事をして寝るだけ、という家族も少なくありません。肉体的にも精神的にもストレスが大きくなってきている分、住まいにくつろぎや楽しさを求める人が増えてきているのも、当然の流れといえるでしょう。ふる里の原風景を思い出して、いろりのある居間をつくった家、いつも触れていたいオートバイやスポーツカーを居間に入れてスポットライトを当てインテリアにしてしまう人、土間のストーブ空間で心を暖める家、みんなが集まる場所に暖炉がある家、居間を吹き抜けのスキップフロアーにしていつでも家族の気配を感じられる家、夫婦で料理ができる家、浴室に続く脱衣室を広げてアスレチックルームにした家、屋上に小さな菜園をつくり家族のコミュニケーションを楽しむ家など、楽しみ方はさまざまです。くつろげる空間があってはじめて、楽しい我が家になるのです。流行や思いつきでない本物のくつろぎ空間は、家族にとっての最高の居場所になるはずです。

このページの先頭へ