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相続の本質(8)

2020年7月16日「木曜日」更新の日記

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あろうことか、相続の本質はまったく無視され、法律の条文により、「相続=財産承継」と決められてしまったのです。これが、本来相続されるべき「被相続人の意思や思い」から「相続人の思い」が切り離れてしまい、相続財産のみへと向かってしまう素地が作られる大きな要因の1つになったと言っても決して過言ではないでしょう。お金や財産とは、その目的に応じて使われていくのですから、広い意味では「道具」といえるでしょう。そして、目的を決めていく人の意思や思いは、その道具の取り扱い説明書」といえるのかもしれません。ですから、相続の場面でも、お金や財産といった「道具」のみが引き継がれ、「取り扱い説明書」ともいえる被相続人の思いや意思が見当たらないのであれば、いくら相続人が血をわけた兄弟であっても、それぞれ状況や思惑も違って当然なのですから、意見の一致をみるのが簡単ではないことは、容易に想像できることです。ほんの数十年前までは、3世代が1つ屋根の下に暮らす家庭はとても一般的なものであり、家庭は、親から子そして孫へと、まさに日々の暮らしのなかで自然と意思や思いが繰り返ししっかりと伝えられ受け継がれていました。しかし、急激な核家族化がすすみ、そんな、かつてはごく普通だった日本の家族像は、今やテレビアニメのサザエさんやちびまる子ちゃんなどでしか見かけなくなった、といえば言いすぎかもしれませんが、とても少なくなっていることは事実であり、意思や思いを受け継ぐ機会がとても少なくなっているということです。

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