管理人はだれ！？

2020年7月22日「水曜日」更新の日記

事例では、敏子さんの友人がインターネットを使って相続放棄の情報を調べてくれましたし、敏子さんも事前に自分でも改めて調べなおしていました。このように欲しい情報をすぐに提供してくれるインターネットは、とても便利で画期的なツールであることに間違いありませんが、インターネットの情報だけで判断してしまうことは、危険な場合があります。それらの情報は、往々にして情報の出所がはっきりしていないため、正確さに疑問のあるものや、仮に正確ではあっても「断片的な情報」である場合も多く、時として関連する重大な問題を見落としてしまう危険性もあるのです。もちろん、実務に通じた専門家が提供されている有益な情報も数多くあることも言い添えておきます。事例の場合、2人とも「祐樹さんの財産のすべてを敏子さんが相続できない」という事態に対処するために、インターネットの情報を探して「相続放棄」にたどり着きました。そこまではよかったのですが、情報が断片的だったため、高順位の相続人が相続放棄をする場合の注意点に気づくことができませんでした。事例の場合は、大問題とはならずに済みましたが、実際の場面では、経験豊富で信頼のおける専門家に、ご相談なさることも大切なことかもしれません。そして、できるならばぜひ、ご自身でもお時間をとって、相続について体系的に学ばれることをお勧めしたいと思います。