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相続問題の事例(2)

2020年7月24日「金曜日」更新の日記

2020-07-24の日記のIMAGE
鈴木家に代々引き継がれてきた農地の半分は、若菜さんが取得することになってしまったのです。和子さんは、若菜さんに何度も電話をして「あんた、如持っててもしょがないら。相続放棄すりゃ、ばあちゃんが相続できるで、放棄してくれんかね」と頼みました。しかし、若菜さんは「おばあちゃんが使っててもいいけど、何かの時に役に立つから相続するようにってママが言うの。だからもらっとくね」と、和子さんのお願いを聞き入れてくれませんでした。こうして、農地の半分は若菜さんのものになってしまったのです。農業のほうは、個人自営業をしていた二男の夏男さんが引き継いでくれることになりましたが、和子さんは土地の名義のことが心配でなりません。若菜さんが相続した農地については、これから時間をかけて話し合いをしていくしかありませんが、和子さん名義の不動産については、和子さんが亡くなったら夏男さんに相続して欲しいと考えるようになりました。しかし、その場合には若菜さんも代製相続人であり、きっと相続権を主張してくると思われます。こうして、和子さんは、私のところに遺言の相談に来たわけです。遺言で和子さん名義の不動産を夏男さんに相続させるのは簡単です。ただ、問題は、若菜さんが遺留分を主張する可能性もあるということです。もちろん、遺留分の請求は若菜さんの権利ですから、これを封じ込めるような方法はありません。

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